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叙述トリックの種類

ミステリー小説に登場する、叙述トリックを紹介します。

  1. 場所の誤読

  2. 時間の誤読

  3. 生死の誤読

  4. 男女の誤読(性別の誤読)

  5. 人物の誤読

  6. 年齢の誤読

  7. 人間の誤読

  8. 人格の誤読

  9. 語り手の誤読

  10. 在不在の誤読

  11. タイトルの誤読

  12. 人数の誤読

  13. 作中作の誤読

  14. その他

以下に具体例を説明します。

「○○島」という場所が、島ではなく地名であった。舞台が日本だと思ったら海外だった。など

犯行時間は0時過ぎだが、午前か午後かを明示していない。1章では現在の事件について、2章では過去のの事件について書かれているが、あたかも同じ事件を扱っているかのように錯覚させる(2つの時系列)。など

死んだと思っていたが、実は生きていた。生きていると見せかけてとっくに死んでいた。

男の娘。僕っ娘。一人称が「俺」や「僕」の女性。名前だけ見ても性別が判断できない

(あおい、かおる、ますみ、れい、など)。

あだ名で呼ばれている相手が、実は別人だった(「陽ちゃん」は、陽介ではなく陽葵のことを指していた)。同性又は同名の人物が複数人出てくる(鈴木が3人登場する)。など

大人だと思わせて子供だった、青年だと思わせて老人だった。67歳の大学生。10歳の大学院生。総白髪の眼鏡を掛けた小柄な女性と描写すれば、老婆だと誤読できる。

人間だと思っていたら、実は動物だった。語り手がペットの犬だった。など

多重人格者で別人だと思っていた人物は同一人物であった。

語り手が勘違いして間違った情報を述べる(1人称視点の小説でありがち)。

10

その場にいないのにいると思わせたり、その場にいないのにいると思わせる。対面での会話だと思われたが、実は電話だった。実は無口な人間が同席していた。など。

11

「吾輩は猫である」の主人公が実は犬だった(嘘です)。「○○○○の殺人」の結末が自殺だった。「あとがき」というタイトルの短編小説だった。など。

12

犯人は主要な登場人物でなく、描写が省略されている人物だった(犯人の姿が全く描写されないときもある)。

13

これまでの展開は、登場人物の一人が書いた小説や日記、事件録であった。

14

その他。


参考文献

掟上今日子の家計簿 、 西尾維新

 
 
 

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